EDR (イベント・データ・レコーダー)とは?

自動車が衝突や急ブレーキなどの事故を検知した際、直前直後の車両挙動やシステム動作を記録する車載装置です。航空機の「ブラックボックス」に似た役割を持ち、事故原因の科学的な解明や責任の所在の明確化に活用されます。

主な記録データ

一般的なEDRは、事故発生前後の数十秒(通常30秒以下)について、以下のようなパラメーターを記録します。

車速
アクセルペダルおよびブレーキペダルの操作状況
エンジン回転数
シートベルトの装着有無
エアバッグの展開に関する情報・加速度波

※映像や音声、正確な位置情報(GPS)、会話などの個人情報は記録されません。

ドライブレコーダーとの違い

映像や音声を常時(またはイベント時に)記録するドライブレコーダーとは異なり、EDRは車両内部のコンピュータ(主にエアバッグECU)に組み込まれたセンサーデータ記録装置です。

搭載と義務化の状況

日本国内では、2021年の改正道路運送車両法により、2022年7月以降に発売された新型車(乗用車など)への搭載が義務化されています。また、2026年12月からは新型の大型車を対象とした段階的な搭載義務化も開始されています。それ以前に製造された多くの車にも既に標準装備として組み込まれています。

解析について

記録されたデータを取り出すには、専用の機器(ボッシュ社製のCDRシステムなど)を用いた専門的な解析が必要です。このデータにより、「ブレーキを踏んだのに加速した」「法定速度を大幅に超過していた」といった事実を客観的に裏付けることができます。